■140文字で私部さんと君塚くん

「黙ってて」って私部が言うから僕は言葉をひっこめた。彼女は何も言わずじゃくじゃくいうシャーベット状の雪を踏む。音がするそれを私部はつま先でそっと踏みつける。ピアノの鍵盤に触れるみたいに。
彼女は機嫌が良さそうだったけれど僕はひどく退屈だった。雪が降る、彼女は根雪を確かめる。


#フォロワーさんをイメージして小説の書き出し一文

■日のやわらかい春の午後、わたしはいつだってミルクティーみたいな甘い夢を口に含む。逃げ出したい。泣かないかわりにひどく非現実的で甘美で都合の良い空想に身を投げる。ガラスの靴はこの前郵送しておいた。だからほら、はやく助けに来てごらん、王子様。 [@akr_xkkx]

■「本当にそうかい?」あいつは下品に笑った。忌々しい。あいつはいつだってそうだ。いつだって俺の一番聞きたくない言葉を与えてくる。「本当にお前はそれで満足かい?」それは呪いだった。俺が停止することをあいつは拒む。けれど平穏を拒んでいるのはいつだって俺だった。聞きたくない、そう嘆いたところで誰が救われるだろう。 [@fm__r]

■「解けるも何も」探偵は口元だけで薄く笑った。謎が交錯しているように見えるダイニングテーブル、錯綜しているのはスプーンとフォーク、割れた皿とナイフだけだった。謎が解けたとは思ってない。最初から謎ですらなかったのだ、状況を見ればわかる。「犯人は、」 [@28mm_h]

■最悪、お気に入りの猫のぬいぐるみに血がついてしまった。せっかくかわいかったのに。あたしの隣で眠る男の子はもう目覚めない。「おやすみ」一人ぼっちで寂しくないようにあたしの猫ちゃんをあげよう。パステルカラーが騒めくこども部屋で息をしているのはあたしだけだった。 [@kaya_pbr]

■白い月が出ている。か細い光がとても綺麗でふわりと寂しさが降ってきた。私は天窓から目を逸らし、ふかふかの枕を抱きしめる。寂しい、その感情を自覚するにはあまりにも遅すぎた。私は後悔を噛み締める。でも、行かないでとは言えなかった。また聞き分けの良い子を演じてしまった。 [@uo_ko]

■フリル、リボン、水玉模様のワンピース。女の子はかわいいだけじゃ、つまらない。もっと刺激的なものが欲しかった。例えば幼馴染の宇宙人の男の子とか、二足歩行で喋るウサギとかね。そしてそれに退屈した不老不死の私は笑顔がかわいい人間の男の子とおかしの国へデートに行くの。 [@_SZU_]

■地球儀が回っているのを黙って見ていた。これが止まると自転も止まるとは誰も思ってはいないだろう。人間は常識から外れたことを現実として受け止められないらしい。可哀想に。「それだからお前らの校庭では一般人が刃物を持って暴れだすんだよ」 私は校庭にナイフを落としてやった。 [@lovekotatu]

■ぼくと同じと言われてる輪郭はなぞらなくても六月の味がした。あの子が流す涙の半分はぼくのものだった、らしい。にぶんのいちのなみだ。ぼくの感情はあの子がもってった。湿る住宅街は毎日が灰色で雨に塗れて音が溶けていった。いつまでもいつまでも雨が降る。思考が溶ける。 [@mizr_k]

■25時になったら外へ出て、真夜中の遊園地でパレードしようよ。息を切らせて走り出す、メリーゴーランドは止まらない。君と僕だけの秘密だよ。指きりげんまんはまた会えるようにのおまじない。ばいばいまたね、さようなら。僕たちはもう大人への乗車券を無くしてしまった。 [@korimiz]

■祝福するみたいに降る花びらを見上げて息を呑む。きれいなものだけを拾い集めたバスケットはもういっぱいで、いつの間にこんなところまできたんだと思い知る。新品だったスニーカーはもうぼろぼろで、沢山のものを受け取りすぎた僕はその優しさの前に立ち竦む。こわい。 [@Uj15yaku]


#私をシナリオボスにしたらどんな感じですか

■人見知りの激しくて無口なボス。地球愛を掲げていて地球を静かにしたくて人の作り出す全てを破壊することを決意。自分の主義に同意する仲間は大事にしたいけれど地球にとって邪魔な存在だからいつか切り捨てなければならないことを凄く悔いている心優しいボス。 [@aineco_hacui]

■通行人Aとしてシナリオの最初から登場しているがシナリオが進むに連れてどんどん正体不明になっていく謎の多いボス。よく喋るが会話なのか独り言なのか寝言なのかわからない。アンチ主人公主義で理論的に味方であろうが敵であろうが主人公と名のつくもの全てを破壊する。 [@bnbnrng]

■暗くて弱い自分を変えようキャンペーンで世界のネガティブな人々を代表して戦うボス。たとえ道を誤っていたとしても人の役に立ちたいと思っている。メンバーからの信頼は厚いがメンバーの多くが引きこもりなので戦闘力は期待できない。どの選択肢を選んでも主人公との和解ルートが現れる。 [@ougin]




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